Exadata Hybrid Columnar Compression に関する検証 その6
<Exadata Hybrid Columnar Compression に関する検証 その6>
ペンネーム: ベロ
今回で、Hybrid Columnar Compressionシリーズは最後となります。
11g R2より、Exadataに限らず、様々な機能拡張がされていますが
Hybrid Columnar Compressionは、データ量爆発の今日において、
データ量を削減しつつ、パフォーマンスを確保するというデータ
を管理する者への大命題を解決する一つとなり得ます。
本シリーズでは、Exadataではない環境にてHybrid Columnar
Compressionの機能を検証すべく、いくつかオラクル社ではサポート
されていない方法を使用しました。その中で分かった事実を
まとめると以下のようでした。
1. Hybrid Columnar Compression方式であるQUERYやARCHIVEという 圧縮方式は、カラム単位の複数ブロック(CU:Compression Unit) 単位でアクセスされる 2. CU単位での圧縮であることから、圧縮率の向上が見込むことが 可能となるが、DMLもCU単位で処理されることから同時実行性は 低下する 3. Hybridと名称がついているのは、新方式(Query/Archive)と 旧方式(BASIC/OLTP)が共存しているから 4. CUの特性上、SELECT文のカラム名の指定方式によっては パフォーマンスが大きく変化する可能性がある
上記より、実運用でHybrid Columnar Compressionを使用する場合
いくつか、パフォーマンスの観点で考慮は必要なものの、大幅な
データ圧縮とI/Oデペンドによるボトルネックの解消は可能だろう
と思われます。
また、最後にHybrid Columnar Compressionを使用する上での注意
事項を記載しておきます。
a) DML使用時 Hybrid Columnar Compressionとして圧縮されるものは以下の 場合です。 - Direct Load - Parallel DML - /*+ APPEND */ - Direct Path SQLLDR Hybrid Columnar Compressionを使用して圧縮されたテーブルに 対して、以下の方式でDMLが発行された場合、自動的に旧来 (OLTPモード)に変換されます - Conventional Insert - Updated rows b) SELECT使用時 - クライアントにデータを返す時点でデータの展開がされます - Buffer Cacheには、圧縮された状態で配置されます
ということから、主に威力を発揮する場合は以下と言える
– Direct Loadを多用するシステム
– データの検索がメインのシステム
– データの更新が非常に少ないシステム
ただし、本検証は、実際のExadataでの検証結果ではなく、単なる
シュミレーション環境ですので、その点にはご注意ください。
それでは、またお会いできる日を楽しみに。
春が待ち遠しい恵比寿より