Oracle VM に関する検証 その2

投稿日: 2009年10月07日

<Oracle VM に関する検証 その2>
ペンネーム: カスクストレングス

前回は、仮想化テクノロジ及び Oracle VM の構成要素について簡単に説明し、
Oracle VM は大きく Oracle VM Server と Oracle VM Manager の2つの構成
要素に分けられることをお話しました。
今回からは、実際にこれらをインストールして検証を進めていきます。

尚、Oracle VM Server は H/W に直接インストールし、Oracle VM Manager は、
Oracle Enterprise Linux などの OS 上にインストールして使用しますので、
物理的に2台のマシンが必要になります。

(Oracle VM Manager のテンプレートが公開されていますので、物理的に1台
の構成も可能ですが、リソースの都合で今回は2台構成にしています。
詳細は、前回の記事を参照してください。)

▼ Oracle VM Server のインストール

まずは、Oracle VM Server (仮想マシンを実行する側ですね)からインス
トールしましょう。
今回は、ダウンロードしたインストールイメージを CD-ROM に焼いて作成した
メディアを使用して作業を行いました。

インストールメディアをセットし電源を入れるとインストーラが起動します。
テキスト・モードでの Linux インストール経験がある方なら、違和感なくイ
ンストール出来るかと思いますが、簡単に流れを追って説明していきます。

1. インストーラの起動画面
Enter を押してインストールを開始します。

2. CD Found
CD-ROM が正常に作成されているか確認します。
確認をスキップする場合は、”Skip” を選択します。

3. Keyboard Selection
キーボード・レイアウトを選択します。
日本語向けのキーボード配列(JP106)も選択可能です

4. System to Upgrad
既存のインストール情報を上書きする場合は、”Reinstall System”を選
択します。
既存インストール情報がない場合は、スキップされます。

5. Partitioning Type
パーティション・レイアウトを選択します。
今回は、デフォルトの構成を選択しました。
– Remove all partitions and create a new default partition layout

6. Warning
パーティションを削除して問題ないか確認します。
問題なければ”Yes”を選択します。

7. Review Partition Layout
パーティション・レイアウトを確認します。
デフォルトの構成を選択すると、仮想マシンが格納されるマウントポイ
ントはOCFS2になるようです。

8. Boot Loader Configuration
ブートローダのインストール場所を選択します。

9. Oracle VM Server Management Interface
使用するネットワーク・インターフェースを選択します。
今回は、NIC が1枚で eth0 と認識されましたので、これを使用しまし
た。

10. Network Configuration for ethn
IPアドレスの設定をします。
今回はIPv4を選択し、静的IPを割り当てます。

11. Miscellaneous Network Settings
ゲートウェイやDNSの設定を行います。

12. Hostname Configuration
ホスト名を設定します。
今回は、静的にIPを割当てたので manually を選択しホスト名を指定ま
す。

13. Time Zone Selection
タイムゾーンを選択します。
今回は、Asia/Tokyoを選択しました。

14. Oracle VM Agent password
Oracle VM Agent に使用するパスワードを指定します。

15. Root Password
Domain0 上のrootユーザが使用するパスワードを設定します。

16. Installation to begin
“OK”を選択するとインストールが開始されます。

17. Complete
CD-ROMを取出してリブートします。

18. End User License Agreement
ライセンス確認をしていただき、同意できるのであれば”Agree”を
選択します。

19. ログイン・プロンプト
ログイン・プロンプトが表示されます。
root ユーザでログインすることが出来ます。
パスワードは、手順15で指定したものになります。

以上で Oracle VM Server のインストールは完了です。
インストールに失敗するような場合は、インストール要件を確認して問題な
ければ /root/install.log を確認してみてください。

▼ Oracle VM Manager のインストール

次に Oracle VM Manager 側をインストールします。
Oracle VM Manager を使用するには以下の OS 環境が必要となりますので、
必要に応じて環境を準備します。
尚、SWAP領域に最低 2GB 確保する必要が有るので注意が必要です。

– Oracle Enterprise Linux 4 Update 5 以上
– Red Hat Enterprise Linux Release 4 以上

(ここでは、OSのインストールについては割愛させて頂きますが、libaio
が必要になりますので、インストールするようにしてください。
尚、今回の検証では RHEL5.3 を使用しています。)

ここでも、手順を流れを追って説明していきます。

1. インストーラの起動
まずは用意した環境に root ユーザとしてログインし、ダウンロードし
たインストールイメージを適当な場所にマウント、runInstaller.sh を
実行しインストーラを起動します。

# mount -o loop,ro OracleVM-Manager-2.1.5.iso /media
# cd /media
# sh runInstaller.sh

2. インストール・タイプの選択
“1. Install Oracle VM Manager” を選択し新規にインストールします。

3. Oracle Database 10g Express Edition のインストール
OVSスキーマの構成先を指定します。
既存のDBも選択できますが、ここでは “1. Install a new Oracle XE
database on localhost” を選択し、新規に Oracle XE をインストール
します。

4. 使用ポートの指定
HTTP ポートとリスナーのポートを指定します。
ここでは、デフォルト値の 8080、1521 番ポートを受入れました。

5. Oracle XE 用アカウントパスワードの指定
Oracle XE の sys 及び system アカウントのパスワードを指定します。

6. Oracle XE の起動設定
OS起動時に Oracle XE も起動する場合は、”y” を選択します。

7. OVSアカウントのパスワード指定
OVSアカウントのパスワードを指定します。

8. oc4jadminアカウントのパスワード指定
oc4jadminアカウントのパスワードを指定します。

9. keystore fileのパスワード指定
Webサービス用keystore fileのパスワードを指定します。

10. Webアクセスプロトコルの設定
HTTPSを使用する場合は、”Y”を入力します。
今回は、”Y” を選択しました。

11. adminアカウントのパスワード指定
adminアカウントのパスワードを指定します。

12. SMTPサーバの設定
SMTPサーバのホスト名を指定します。

メール通知を使用しない場合は、適当な値を入れ、確認メッセージに
“n” を入力すれば良いようです。

"Mail server 'xxxxx' check failed, want to re-enter it(Y|n)?"

13. adminアカウントのメールアドレスの指定
adminアカウントのメールアドレスを指定します。

以上で、インストールは終了です。
問題なければ、以下のアドレスから admin アカウントで管理コンソールにア
クセスできます。
(パスワードは手順 11 で指定したパスワードになります。)

https://:4443/OVS

インストールに失敗するような場合は、/var/log/ovm-manager 配下のログを
確認してみてください。

また、Windowsのクライアントを使用して Oracle VM Manager の管理コンソー
ルから仮想マシンの画面にアクセスする場合は、Oracle VM Manager をイン
ストールしたマシンに以下のRPMを導入してください。
( http://oss.oracle.com/oraclevm/manager/RPMS/ からダウンロード可能
です )

– ovm-console-1.0.0-2.x86_64.rpm(Mozilla Firefox を使用する場合)
– tightvnc-java-1.3.9-3.noarch.rpm(Microsoft IE を使用する場合)

以上でインストール作業は終了となります。
うまく出来たでしょうか?

今回は、インストール手順のご紹介だけになってしまいましたが、次回からは
いよいよ仮想マシンの作成を行っていきます!

気になるジンギスカン屋さんを発見!! 恵比寿より。