Oracle新人のRACインストール その2
<Oracle新人のRACインストール その2>
ペンネーム:world famous beagle
先週から始まりました、「Oracle新人のRACインストール」はお楽しみ頂いて
おりますでしょうか?
遅れましたが、主人公の印旛トシロウより自己紹介をさせて頂きます。
「みなさん、はじめまして。印旛トシロウと申します。イニシャルは、I.Tで
すが、ご存知の通りITは全くのシロウト。岸田先輩に毎日小言を言われながら
頑張っています。
他に二人の同期がいますが、二人ともIT業界経験者で自分とはかなりスキルが
違うようです。僕自身は、文系出身でみなさんに迷惑をかけてばかりですが、
持ち前のノリで頑張っていこうと思います。みなさんどうぞ宜しくお願いしま
す!」
では、早速仕事に移りましょう。
今回は、ClusterwareとDatabaseのモジュールをFTP転送します。
「印旛くん、RedHatのインストール終わったなら、clusterwareとdatabaseの
モジュールをFTPで転送して、解凍しといて」
「FTP?解凍・・・?」
「・・・・」
あ、岸田さんがちょっと怒ってる。
「調べてみます!」
「わかんなかったら、斉藤くんとかに聞けばわかるから」
「はい・・・」
「斉藤くん、岸田さんにモジュールをFTPで転送するように言われたんだけど、
FTPっていうのは何?」
「FTPですね。FTPというのは、%$&(‘%##&’$&(%$#*+`*#%#&&`@」
「えーっと、簡単に言うとパソコンからパソコンにファイルを転送する方式み
たいなものですか?」
「まぁ、簡単に言えばそうですね」
「あ、ありがとう」
では、早速clusterwareとdatabaseのモジュールをOracleのホームページから
ダウンロードして、それをサーバにFTP転送してみよう。
ダウンロードをしている間に、FTP転送の仕方を調べてみたけど、難しくはな
いな。
コマンドプロンプトを開いて、
C:tmp>ftp
userとpasswordを入力すればOK。
注意すべきは、転送モードをbin(バイナリモード)にすること。
ftp> bin
200 Type set to I.
あとは、
ftp>put でファイルが転送される。
—転送待ち時間の考え事—
FTPっていうのは、File Transfer Protocolの略らしいけど、File Transferは
そのままでわかりやすいけど、protcolっていうのがなんなのかよくわからな
いな。富樫さんに聞いてみようかな。
「富樫さん、いまFTPでモジュールを転送してるんですけど、プロトコルって
いうのはどういうものですか?」
「あー、印旛くんはITの経験ないんだよね。プロトコルっていうのは、サーバ
とサーバが話をする決まりみたいなものだよ。この前、RedHatをインストール
した後に、FTPの設定を岸田さんに言われてやってたでしょ?たとえば、FTPっ
ていうのが日本語だとすると、印旛くんのパソコンからFTPを使って、RedHat
を入れたサーバにファイル転送したい時は、そのRedHatを入れたサーバも日本
語がわからないといけないみたいな感じ。だからFTPの設定をしたんだよ」
「あー、なるほど!!」
—————————
よし、モジュールの転送は終了。
そういえば、岸田さんがファイルを解凍しろって言っていたけど、どういうこ
となのかさっぱりわかりませんね。
「斉藤くん、ファイルを解凍するっていうのは、どういうこと?」
「解凍、ですか。」
「うん、なるべく簡単に教えてくれるとありがたいんだけど」
「ちょっとファイル名をみせてもらっていいですか?」
10201_clusterware_linux_x86_64.cpio.gz
「これは、ファイルが圧縮されているんです。gunzipで解凍して、cpioにオプ
ションをつけて展開すれば大丈夫ですよ」
「あの、どういう風にやるの?」
■ファイルの解凍、展開の仕方
$ gunzip {ファイル名}
$ cpio -idmv < {ファイル名}
「おー、なんかファイルがたくさんできた」
あ、丁度いいところに岸田さんが歩いてきた。
「岸田さん、モジュールを解凍しました」
「そう、じゃあ圧縮って、どういう風にしてるか知ってる?」
「・・・・」
「じゃあ、明日までに調べて説明してくれる」
「はい・・・」
そして、次の日。
「おはようございます。圧縮について調べてきました」
「うん、じゃあ説明してみて」
「はい。まず、今回使われていたファイルは、cpioという方式でたくさんのフ
ァイルが一つにまとめられていました。これを、IT用語で「アーカイブされて
いた」、といいます。そして、そのアーカイブされたファイルがさらに、
(GUN)ZIPという形式で圧縮されていました」
「うん、じゃあ圧縮っていうのは何?」
■圧縮
データ圧縮とは、データをそのデータの実質的な内容を保持したまま、データ
量の少ない別のデータに変換することです。
これでは、よくわからないのでもう少し簡単に説明すると・・・
ファイルに格納されるデータの形式は、バイトという単位が使われます。
1バイト=8ビットで、8ビットを2進数であらわすと00000000~11111111までの
範囲で256種類あります。つまり、ファイルの中身は、バイトデータがつまっ
ているというイメージです。
ここで、たとえば「AAABBBBBBBBCCDEEEEE」という半角のアルファベット19文
字を格納したファイルがあるとします。
半角のアルファベットは、1文字が1バイトのデータとしてファイルの保存され
るので、このファイルは19バイトです。
このファイルのサイズをなんらかの方法で19バイトより小さくするのが圧縮で
す。
では、実際にどうすればいいかというと、簡単に思いつく方法はファイルの内
容を「文字とその繰返し回数」で表現することです。
「AAABBBBBBBBCCDEEEEE」というデータを「A3B8C2D1E5」に変換すると、19バ
イトのデータを10バイトにすることができます。データ量はおよそ半分になる
ので、このことを「圧縮率が(約) 50%である」と言います。
「どうですか?」
「まあ、いいんじゃない」
■補足
実際は文書ファイルの場合、同じ文字が連続して続いているということはあま
りないので、この方法だとむしろデータ量が増えてしまう可能性があります。
例)「I am a IT consultant」という16文字を上の方法で圧縮すると・・・
「I1a1m1a1I1T1c1o1n1s1u1l1t1a1n1t1」となってしまうので、32文字のデー
タとなりデータ量が倍になってしまいます。
文書ファイルの圧縮には、LHAという圧縮ソフトがよく使われますが、これは、
上記の方法とは違う方法で圧縮されています。これを使って実験をしてみます。
先程の「AAABBBBBBBBCCDEEEEE」というファイルをメモ帳を使って作成します。
このファイルのバイト数をプロパティで見てみると、もちろん19バイトとなっ
ています。これを、.lzhに圧縮すると・・・
なんと、54バイトになってしまいます。
日本ではLHAのような圧縮ソフトは、「文字とその繰返し回数」のような単純
な方法ではなく、上記の方法とは違う方法で圧縮を行っています。
詳細を知っている必要はないですが、圧縮ソフトはそれぞれ独自の方法
(文字の出現頻度など)によってファイルを圧縮しています。
Afya ni bora kuliko mali.
(健康は財産に勝る)
ということで、徹夜にも負けない強い体に生んでくれた親に感謝 茅ヶ崎にて