Oracle新人のRACインストール その1
<Oracle新人のRACインストール その1>
ペンネーム:world famous beagle
4月ということもあり、今回はOracle新人がRAC(Oracle Real Application Clusters)
をインストールするまでの奮闘記になりました。
今週から順を追って説明していきます。
RACとは何か?を、初めから正確に理解することは難しいと思います。
OSの設定をしながら、インストールの作業をしながら少しずつ理解していける
はずです。ただ、キーワードを挙げるとするならば、
<RACとは、「拡張性」「可用性」を実現するシステムである>
です。
拡張性:
システムの利用者や負荷の増大に応じて、柔軟に性能や機能を向上させられる
ことを意味します。
可用性:
システムの壊れにくさを意味します。障害の発生のしにくさや、障害発生時の
修復速度などによって計られます。可用性の高いシステムとは、滅多に障害が
発生せずいつでも安心して使えるシステムを指し、逆に可用性の低いシステム
とは障害が頻発し、しかもなかなか復旧しないシステムのことを意味します。
この二つのキーワードを意識しながらインストールを行うことで、より深くRAC
について理解していけるのではないかと思います。
それでは、さっそくスタート。
先輩からの指示
「じゃあ、とりあえずRACをインストールしといて。
RedHat4を入れて、そこにFTPでclusterwareとdatabaseを転送してやればでき
るから。」
私の頭の中は、「らっく?赤い帽子?何それ?」
第1章 OSのインストール
何はともあれ、RedHatがLinuxというOSだということを知り、メディアを手に
サーバルームへ。
「コンピューターがぶんぶん鳴ってるし、寒いし、なんだここは。OSのインス
トールなんてしたことないからわからないけど、とりあえずメディアを入れて
サーバを起動してみよう。」
「マトリックスみたいな画面が出てきたな。お、Linuxの画面が出てきた。
言語の設定や、キーボードの設定は、japaneseでいいでしょ。余裕、余裕。」
最初にきた難関は、「パーティション」の設定。
partitionは、区切りとかそんな意味だった気がするけど、なんのことかさっ
ぱりわからないので、とりあえず、「自動パーティションの設定」をクリック。
すると、ディスクの領域を決める画面。
「なるほどね。ただ、どこにどのくらいの領域が必要なのかがよくわからない
な。これは、誰かに聞かねば!」
私:「すいません。パーティションの設定をしているのですが、どの位のサイ
ズで設定すればいいんですか?」
先輩:「あとで変えられるから、適当でいいよ。Oracleのハードウェア要件が
あるから、マニュアル見て。」
「うーーん。適当、っていうのが一番難しいのになー。」
(その後、インストール作業中に、swap領域が足りないというエラーが出るの
だが、この時はそんなことに気づくことはなかった・・・。そして、次回、事
前準備のパーティション作成でも、おおいにつまずくのである。)
さて続きをやりましょう。次はIPアドレスの設定。
これは、先輩が数字の書かれた紙をくれました。優しい時もあるのです。
memo
IP: 192.168.*.*** subnet: 255.255.255.0 IP: 192.168.*.*** subnet: 255.255.255.0 interconnect: 172.16.*.* subnet: 255.255.0.0 172.16.*.* subnet: 255.255.0.0
IPアドレスは、編集で入力したものの「interconnect」とはなんぞや?
そんな単語は、画面上にないですね。
Googleで調べてみると、ありました。
***
インターコネクトとは,複数のコンピュート・ノードを1つのグループにまと
めて仮想的に1台のシステムとして稼動させるネットワークを指す。これによ
って,PCクラスタは複数のジョブを並列処理することが可能となる。
***
http://mikilab.doshisha.ac.jp/dia/research/report/2005/0811/002/report20050811002.html
「なるほど、今回はクラスタデータベースのインストールだから、interconnect
のIPアドレスを設定する必要があるのか。設定画面では、IPの設定に、
interconnectのアドレスを入れておけばいいみたいだ。これがRACの特徴である、
可用性、拡張性に関係しているみたいだな。interconnectを介して、二つのサー
バがお互いを認識しあう事で、もし、片方のノードが落ちてしまってもサービ
スがストップせずに済むのか!」
その後は、大きな障壁にはぶつからず、ついにLinuxの画面とご対面!
「あ、はじっこに赤い帽子の絵があるな・・・」
無事、OSのインストールが終了して、一息つこうと思っていたら、先輩がやっ
てきました。
私:「OSのインストールは出来ました!」
先輩:「あそう。FTPとtelnetの設定はした?」
私:「???」
先輩:「じゃあ、誰かに聞いてやっといて。」
「先輩が教えてくれたらいいのに・・・」
FTPもtelnetも外部からサーバにアクセスするので、誰でもアクセスできると
いうのはまずいですよね。
ということで、以下のような手順でそれぞれのサービスを起動する必要があり
ます。
-----------------------FTPの有効化------------------------- ■セットアップ画面 $su - rootユーザーでログインする $setup セットアップ画面になる システムサービス → GSSFTPのチェックをはずす vsftpdにチェックをいれる ■ユーザーの追加 $cd /etc/vsftpd.user_list ユーザー「oracle」を追加 $cd /etc/vsftpd/vsftpd.conf userlist_deny = NO →この1行を書き加える ■サービスの開始 $cd /etc/init.d $./vsftpd start サービスが開始される ---------------------telnetの有効化------------------------ ■telnetのモジュールが入っているかどうか確認する $rpm -qa |grep telnet telnet-0.17-20 telnet-server-0.17-20 (表示されればインストールされている) ■表示されない場合は、以下のコマンドを使ってインストール $rpm -ivh telnet-server-0.17-20.i386.rpm ■telnet をランレベル3(テキスト)と5(グラフィカル)で自動起動 $chkconfig --level 35 telnet on ランレベルはLinuxやUnixの起動モードで、RunLevelで起動するデーモ ンが決まってるらしい・・・ RunLevelが高いほど、起動するデーモンが多いんだってさ ■telnet起動 ※telnetはデフォルトでxinetdから起動されます $service xinetd restart ■確認 クライアントからtelnetでログインしてみましょう!
———————————————————–
来週は、第2章RACインストールの事前準備についてです。
この事前準備において、Linuxのコマンド操作に慣れることや、各種パラメー
タの設定、ネットワークの設定を通して、Oracleのインストールに必要な要件
を理解する必要があると思います。
Nilitaka kula chakula cha muchana, lakini sina pesa…
お昼ご飯が食べたいけど、お金がありません・・・ 茅ヶ崎にて