Oracle新人のRACインストール その4
<Oracle新人のRACインストール その4>
ペンネーム:world famous beagle
今週は、共有ディスクの設定です。今回は、サーバ2台にストレージが1台。
もちろん、印旛くんはよくわかっていません。
ということで、早速スタート。
「印旛くん、まだ事前準備みたいなことやってるんでしょ?
先に共有ディスクの設定をやって。きっと君時間かかるから」
「あ、はいわかりました」
「RAID5も勉強しといてね」
「レイドファイブ?」 —なんか響きがかっこいい!!—
「知らないでしょ?」
「はい。調べます。レイドファイブですね」
今週は、共有ディスクの設定でしたが、その前にRAID5を理解しましょう!
レイドファイブが何か知らないけど、とにかく響きがいい!
「あ、僕レイドファイブならわかりますけど」みたいな。
ITコンサルタントに近づく気がする。
早速調べよう!
RAIDについてちょっと調べてみると・・・
「うーーーん。ストライピング・・?ミラーリング・・?
ますますかっこいい!!でもよくわからん」
「富樫さん、RAID5っていうのがよくわからないんですが」
「RAID5か。じゃあ、まず見てみた方がいいね。サーバルームにいこうか」
「これが、今回使うストレージだけど、2台のサーバで共有するから
共有ディスクっていうんだけど、それはわかるよね?」
「はい・・・」
「うん。じゃあ、ストレージをみてみると、ディスクが10本入ってるでしょ?」
「あ、そうですね。たしかに」
「RAID構成っていうのは、この10本のディスクを仮想的に一つのディスクとし
てみるってことなんだよ」
「・・・・・・」
「わからないか。じゃあもう少し詳しく説明しよう」
—–RAIDを理解するためのキーワード—–
*RAID = Redundant Arrays of Inexpensive Disks
■データの保護
■I/Oの分散度を高める
この2つを念頭に置いて考えてみよう。
まず、ディスクには、常に障害によるデータの消失というリスクがついてまわ
る。その理由は様々だけど、年月による劣化だったり、突発的な原因だったり、
いつどのような形で起こるかはなかなかわからない。
だけど、データは保護しなければいけない。
そこで登場するのがRAID。
RAIDというものが何かはさておき、RAIDを使って、データを二重化することが
できる。このことをミラーリング(RAID1)っていうんだけど、同じデータを2
つのディスクに同時に書き込んでいくから、常に同じ内容のディスクが2本存
在することになる。
だから、もし片方のディスクに障害が起きたとしても、もう片方があるから大
丈夫ということ。
バックアップでもデータを保護できるけれども、ミラーリングとは少し違う。
定期的にバックアップを取ることで、データは保護できるけど、バックアップ
とバックアップの間に変更されたデータを元通りにはできない。
けれども、ミラーリングは、同時に同じものを2つ作っていくわけだから常に
完全なバックアップが存在することになるね。
もう1つのストライピングっていうのは、データをチャンクという塊にわけて、
それを複数の物理ディスクに同時に書き込むこと。
つまり、3本の物理ディスクがあれば、1本の時の1/3の転送時間になる。
これが2つ目のキーワードだったI/Oの分散度を高めるってこと。
今、ミラーリングについて説明したけど、これも同時に書き込みをしているん
だけど、ミラーリングは1つのデータを2つのディスクに重複して書き込みして
るから、少し違うのはわかるよね。
「ここまでは、わかった?」
「大丈夫です。けど、結局RAIDが何かっていうのがやっぱりよくわかりませんね」
「よし、じゃあその辺を説明しようか」
—–RAIDの設定—–
一番初めに言ったとおり、RAIDっていうのは、複数のディスクを仮想的に一本
のディスクとしてみることができる。
RAIDコントローラカードっていうのがあるんだけど、このカードをマシンにつ
けることで、RAIDの設定ができるようになる。
RAIDは、それぞれの特徴によってレベルがわかれてるんだけど、基本的なもの
を紹介すると、
RAID0:データのストライピング(データの高速転送が出来るが、保護はできない)
RAID1:データのミラーリング(データの保護が出来る)
RAID0+1:データの保護と高速転送どちらも可能
「じゃあ、RAID0と1にはどんな問題があると思う?」
「RAID0はデータの保護ができていないのが問題ですよね?」
「うん。RAID1は?」
「うーん。あ、RAID1はミラーリングしているから、実際にあるディスクの半
分しか使うことができないのが問題じゃないですか?」
「そう。なかなかわかってきたね。
じゃあ、今回使ってるRAID5については自分で調べてごらん」
「はい。ありがとうございます」
—–RAID5—–
RAID5は、ストライピングを行いながら、データのパリティ情報と呼ばれる障
害復旧時に必要となる情報をディスクに書き込んでいく。
このため、RAID5には、最低ディスクが3本必要となる。
また、データ保護はされているが、RAID1のようにミラーリングされていない
ので、ディスクの利用効率を高めることが出来る。さらに、RAID0のデータの
保護が出来ていないという問題も解決しているといえる。
「うん。RAIDについてはだいぶ理解してきたな。
RAID5を使うことで一番いい事は、一度RAIDの設定をしておけば、RAIDコント
ローラが勝手にデータの書き込みや障害復旧の時の情報を保存してくれるから、
自分が意識する必要がなくなるよね」
「どう?」
「もう大丈夫だと思います」
「結構時間かかったね。あとは、RAIDの構成をする時に、cluster構成の時の
注意点があるから、それについても知っておいた方がいいよ」
—–RAID5をcluster環境に構築する場合の注意点—–
例)サーバ2台(node1,node2)、共有ディスク1台の場合
1.両方のサーバをshutdownする
2.node1を起動する
3.node1でRAID5の構築手順を行う
4.node1をshutdownする
5.node2を起動する
6.Configration mismatchのメッセージが出るので、node2からもnode1と同様の
RAIDの構築手順を行う
7.node1を起動する
■両ノードから同時にrebootしない
cluster環境の場合、両方のサーバを同時にリブートすると、RAIDコントロー
ラを介してストレージへの同時アクセスが発生し、破損の原因になります。
■shutdownの手順
1.サーバを片方ずつshutdownする。
2.サーバが完全に落ちてから、ストレージの電源を切る。
■起動の手順
1.ストレージの電源を入れる
2.サーバを片方ずつ起動する
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「じゃあ、実際に共有ディスクの設定をしてみようか。
やってみるともう少しイメージがわくから」
「はい。今ならマニュアルに書いてある手順の意味がわかる気がします!!」
来週は、共有ディスクの設定。
印旛くんはRAIDを理解して自信を持っているようですが、
いつもの通り大きくつまずきます・・・。
印旛くんの同期が2人います
この3人の名前にはある秘密が・・・。
それでは、また来週。